ミクシィ11月に「大規模な組織変更」 「リストラ実施」という怪文書も出る

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   「数日前から大規模なリストラがはじまっている」。インターネットの匿名ブログサービスに、こんな書き込みが載った。その会社は「オレンジなソーシャル会社」だそうだ。オレンジ色から連想して、これは交流サイト(SNS)「mixi」を運営するミクシィではないか、との憶測が広まった。

   書き込みはすでに削除されて、投稿者は「逃走」した。ミクシィは書き込みにある事実はないと全面否定しているが、業績低迷が続くだけに憶測が出やすいのかもしれない。

カスタマーサポートに異動する例は過去にもあった

「大規模な組織変更」が何をもたらすか
「大規模な組織変更」が何をもたらすか

   「はてな匿名ダイアリー」に2013年10月23日に投稿された内容は、リストラの様子がつづられている。対象者は「コールセンターみたいなところ」に配属となり、ネットがつながらない部屋に移されて「よくわからない作業」を延々させられる。他部署の社員との接触は禁じられ、「退職を希望するまでそこで働くことになるそうだ」。

   内容の信ぴょう性は不明で、投稿者の分からない「怪文書」。すでに消されていることから事実関係が疑わしいとも思える。ただこれに関連して「CNET」が10月24日付で興味深い記事を配信した。「複数人の関係者による証言」に基づくとミクシィでは、派遣社員や業務委託の契約終了により、正社員約30人がカスタマーサポートに異動となった。対象者は、人事から内示を受けた10月18日の夜、社外からイントラネットに接続するためのアカウントが削除されたという。10月21日に出社すると、自分の荷物をセミナールームに運び込むよう指示を受け、その場所での業務が命じられたそうだ。事実だとすれば、通常の人事異動にしては少々不自然にも思える。

   ミクシィ広報はJ-CASTニュースの取材に、「大規模リストラを実施する予定はありません」と明確に否定した。一方で、ある部署からカスタマーサポートに異動する例は、過去にもあったと説明する。ただ「他部署の社員との接触が禁じられる」という書き込みは「事実ではございません」と打ち消した。

   一方でCNETが報じた「11月1日にも大規模な組織変更を実施…250人を超える人員」については認めた。あくまで経営戦略に基づく「適材適所の部署異動」で、同日付でカスタマーサポートに移る社員もいると明かす。人数の詳細には触れなかったが、連結対象企業合わせた同社の正社員数は484人。報道にある「250人超」が正社員を指すとすれば、半数以上が対象の「民族大移動」だ。

婚活サイト、出会いのマッチングサイトを買収

   ミクシィでは2013年5月15日、創業者で当時社長だった笠原健治氏が退任を発表、新社長に朝倉祐介氏が就任して笠原氏は会長に就いた。

   8月9日、新体制で最初の決算発表となる2013年4~6月期の業績が公表されたが、結果は芳しくなかった。売上高は前年同期比39.4%減の21億4400万円と大きく後退し、最終損益は2億5300万円の赤字となった。赤字決算は、上場以来初めてとなる。広告事業が不振、またソーシャルゲーム大手ディー・エヌ・エー(DeNA)と提携して強化を図ったゲーム事業も伸び悩んだ。

   さらに10月1日には、通期の業績予想を下方修正した。売上高は当初の予想から40億~55億円減となる80億円に、最終損益は当初5億~11億円の黒字としていたのが、26億円の赤字となった。ゲームの課金売上高が予測を下回ったことを理由に挙げた。

   ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、「数字には表れていないかもしれないが、『mixi』の既存会員をサイトに誘導できていない。『最近全然ログインしていない』という話は、よく耳にします」と指摘する。ゲームをはじめ機能面で、他のSNSを参考にキャッチアップするのはよいが、会員を引き付けて使ってもらうための努力をしないと利用者がどんどん減り、ひいては広告や課金サービスでの収入が細ることになりかねないというのだ。

   一方で、新しい展開も見られる。10月1日、結婚支援事業を手掛ける企業をLINEから買収すると明らかにした。この会社は「婚活サイト」や、男女の出会いの場を提供するマッチングサイトを運営する。さらに10月7日には、「街コン」イベントの運営会社の買収も発表した。井上氏は「収益性の高い人材マーケティングの分野を強化する考えではないか」とみる。もともと転職・求人サイトを持っているミクシィは、これに出会いや結婚を加えた「ライフステージ型のサービスをやろうとしているのかもしれません」。

   新規事業に注力を移しつつ、既存サービスを見直すために大規模な組織変更や人事異動を実施するなら、別に不思議な話ではないが…。

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