連合会長を「賃上げ」で政府が揺さぶる理由 「民主党つぶし」の深慮遠謀か

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景気の腰折れが最大の不安要素

   来年4月から消費税率を8%に引き上げることを決めた首相には、景気の腰折れが最大の不安要素だ。消費税増税に備えた経済対策に企業減税を盛り込んだものの、賃金上昇に結びつかなければ「支持率は一気に転落しかねない」(自民党幹部)だけに、賃上げを促す意図があるのは明確だ。

   では、なぜ労働組合代表である古賀会長まで同席させるのか。同会議を担当する官僚は「古賀会長の参加が実現するかどうかが最大のカギだった」と語る。言うまでもなく、連合は野党民主党の最大の支持母体だ。その民主党は昨年の衆院選と7月の参院選で惨敗し、解党的な出直しを求められている。連合内には、自らの要求を政策に反映させるため「政権との対話のチャンネルが必要」(連合幹部)との声が高まっている。

   先の官僚は「この時期に民主党の支持基盤を徹底的に揺さぶり、超長期政権の足場固めを狙った安倍首相と菅義偉官房長官の深謀遠慮」と解説する。経営者の財布のヒモが緩みそうな情勢下での古賀会長の渋い表情は、自らの存在意義が揺らぐことへの不快感だけでなく、民主党との関係をめぐるジレンマの裏返しに見えなくもない。

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