プリンスホテルはこれまでに1億1000万円を返金
過去の食品偽装で「レシートなし」で返金に応じたケースでは、2002年に大手スーパーの西友が、埼玉県の狭山市駅前店と札幌市の元町店で米国産やカナダ産牛肉を国産と偽って販売した際に、レシートなしで返金に応じた。
このときは札幌・元町店で騒動となり、販売金額の1300万円に対して、4倍近くの5000万円を超える申し出に店側が応じていた。悪意をもった人が利用者に混じって要求したことで返金額が膨らんだ。
ホテルであれば利用が確認しやすく返金しやすいが、阪急阪神ホテルズの場合、誤表示が最大7年間という長期間にわたることや、学生会館内や大学病院内、劇場、競馬場と大勢の人が自由に出入りできる場所が含まれており、西友のケースのように返金額が膨らむ可能性がないとはいえない。
阪急阪神ホテルズが2013年7月からの自社調査を行うきっかけとなった、プリンスホテルでのメニューの誤表示では、6月にザ・プリンスさくらタワー東京やグランドプリンス高輪などの4ホテル、9品目で誤表示があったことが発覚。その後、自社調査で対象となるメニューが拡大した。同社は利用者の申し出により、レシートがない場合でもできる限り確認しながら対応しており、これまでに1億1000万円の返金に応じてきた。現在も返金の申し出に応じている。
プリンスホテルは「表示と異なる料理を提供してしまい、十分満足してもらえなかったのですから、わたしどもとしては誠意をもって対応させていただきます」と話している。