エヴァ・アスカ役で知られる声優の宮村優子さん(40)が近く引退するとの出所不明の情報がツイッターなどで出回り、騒ぎになっている。「最近声がおかしい」との指摘も確かに出ているが、デマの可能性がある。
引退情報がツイッターで出回ったのは、2013年10月21日ごろからだ。
「引退を発表」ツイートを削除
「【悲報】エヴァで惣流・アスカ・ラングレーを演じた宮村優子さんが今シーズンで引退を発表」
こんなつぶやきで始まり、「エヴァンゲリオン新劇場版シリーズの最終章であるシンエヴァンゲリオン劇場版の公開も延期、もしくは中止となる模様」とある。「バセドウ病を患っており、それにより声にも影響が出てしまったらしい」というのだ。
この情報は、かなりの数がリツイートされて、ネット上で、大きな話題になった。
宮村さんは、確かに第1子出産後にバセドウ病になったと2007年にブログなどで公表している。しかし、ブログやツイッターには、引退するといった発表はこれまでに出していない。宮村さんと業務提携しているジャパンアクションエンタープライズに取材すると、スタッフは担当者からそういった話は特に聞いていないとした。ツイートは、どうやらデマの可能性があるようだ。
情報を流したツイート主の1人は、無料通話・メールアプリ「ライン」のタイムラインで友だちから回ってきたものであることを明らかにした。そして、「信憑性は薄いかもしれません」として、ツイートを削除している。真相はよく分からないが、2ちゃんねるのまとめブログの1つが、宮村さんについて「今シーズン限りで引退へ」と根拠のないタイトルを付けていたため、それをもとにラインなどで情報が流れたのではないかとみられている。
とはいえ、宮村さんについては、「最近声がおかしい」と話題にはなっていた。
「演出陣がOKを出したものを放送」
それは、宮村優子さんがテレビアニメ「名探偵コナン」で務めている遠山和葉役を巡り、2013年9月21日の放送後からネット上で指摘されたことだ。
宮村さんは、鼻が詰まったような声でろれつが回らない感じだったとして、「みやむーどうしたの何があったの?」「安静にした方が良いのでは」と心配する声が相次いでいた。
バセドウ病は、のどの甲状腺が肥大化する難病だが、それによって声の調子が悪くなるとは言われていない。治療の過程で、一時的に甲状腺機能低下症になって、声がかすれて、低音のしわがれ声になることがあるとされている。宮村さんは、もしかしたら、そのような症状が一時的に出た可能性はあるのかもしれない。しかし、真相は今のところ分からないままだ。
「名探偵コナン」を制作している読売テレビ放送(大阪)に取材すると、東京宣伝部の担当者は、「プライベートには関知しておりません」とだけ答えた。声の変化については、「ご覧いただく方によっては声が違うかなと感じる向きもあるかもしれませんが、演出陣がOKを出したものを放送しております」とした。宮村さんの引退もありえるかについては、「うちがお答えすべきことではないと思います」としている。
映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」への今後の影響については、前回作「Q」の配給元のティ・ジョイでは、「延期や中止などの話は、特に聞いていません」と取材に答えた。