ネット販売の「価格競争」で、薬の店頭価格もつられて下がる
厚労省が進めるルールづくりは遅れているものの、大衆薬のネット販売は消費者に浸透しつつある。
消費者が注目するのは、やはり価格。すでに一部の「ネット薬局」(ショップ)は解熱鎮痛薬「ロキソニンS」や胃腸薬「ガスター10」などの、効き目が強い「第1類医薬品」の販売を始めており、価格比較サイト「価格.com」の最安値(2013年10月22日現在)は、ロキソニンS(12錠)が540円(希望小売価格680円)、ガスター10(12錠)が1131円(同1659円)だった。
売れ筋の「ロキソニンS」はネットの最安値がドラッグストアの店頭価格より2割強安く、また店頭での値引き販売が行われている「第2類」もネットの最安値が店頭より1~2割安いものが多い。
ネット販売は画面上で価格が比べられ、商品が購入できるので、医薬品のネット販売が本格化すれば、ドラッグストアや町の薬局よりも安く薬を買えるのはもちろん、これまで値引きされることがほとんどなかった医薬品にも価格競争が起きる。
一般に、ネット販売は商品比較が容易なため、価格競争は激しくなりやすい。ネット販売の競争激化が値下げ競争に拍車をかけることは間違いなく、さらには店頭価格がネット価格につられて下がる可能性もある。