竹田恒泰さんといえば、明治天皇の玄孫という「やんごとなき」出自とスマートな語り口で知られ、慶応大学で憲法学の講師を務める一方、『旧皇族が語る天皇の日本史』など多数の著書でも人気だ。父の恒和氏はJOC会長でもある。ところがこの竹田さんがテレビ番組で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」を擁護するような発言を行ったとして、いま賛否両論が上がっている。
「在特会は、いいこともしたんです。喋っている内容がいいというわけではなくて、在特会が活動したおかげで、在日の特権というものの問題が明らかになったわけです」
「韓国側の慰安婦像の方がえげつない」
問題の発言があったのは、2013年10月20日の「たかじんのそこまで言って委員会」(読売テレビ系)だ。時事問題などについて出演者たちがまさに「そこまで言っていいんかい」という過激な議論を繰り広げることで人気が高く、東京を始めとする未放送地域では、「なんで放映しないんだ」という不満の声も少なくない。
この日番組では、「在日韓国・朝鮮人へのヘイトスピーチ」という議題が用意された。これに竹田さんを含め、8人の出演者は全員「容認できない」との見解を一応示す。
しかし――と竹田さんは、在特会を一概に否定することに疑問を呈する。「私はああいう表現はしない」「表現についてはいろいろ意見が分かれる」と断りつつも、上記のように在特会の活動を通じて、「在日の特権」が国民に知られるようになった、と一定の評価を与える。そしてその具体的な「特権」として、いわゆる「通名」の存在を挙げ、これにより犯罪歴などを消すことができる、などと説明、
「在特会には在特会の意義はあったと思うんですね」
と締めくくった。
他の出演者からも、
「反対側の『レイシストをしばき隊』とかいうのがあって、(在特会と)同等かあるいはそれ以上に強烈な連中。そっちが報道されていないのが問題」(井上和彦さん)
「これをとやかく言うなら、日本大使館の前の慰安婦像、あれの方がえげつないと思う」(桂ざこばさん)
といった発言が続々と上がる。総じて、言い方はとにかく主張は理解できる、韓国も同じようなものだ、という論調だ。