中国当局の「記者研修」は反日教育だった 報道の「対日強硬路線」さらに強まる

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安倍首相の靖国参拝見送りにさっそくかみつく

   中国のメディアのなかでも党「直系」の機関紙、人民日報がさっそく、安倍晋三首相にかみついた。首相は、秋季例大祭中の靖国神社の参拝を見送り、「真榊(まさかき)」を奉納するにとどめた。人民日報電子版(日本語)は10月18日付の記事でこれを「間接的亡霊参拝」と表現、「供物奉納と自ら参拝することとは完全に性質が同じ」と切り捨てた。

   批判の矛先は、日本のメディアにも向いた。「首相の靖国参拝見送り」を報じた共同通信が、中国メディアの動向を伝えつつ「全くわけのわからないことに『中国は冷静な反応』などという結論を導き出した」と憤る。冷静な反応などあり得ない、日本に侵略された痛ましい歴史を忘れるというのは裏切りなのだと激した後、過去2年間「日本の誤った歴史観を正す」ために報じてきた記事の見出しを列挙した。

   人民日報の指摘に該当しそうな共同通信の配信記事を見ると、確かに中国メディアの報道ぶりを伝えているが、探した限り「冷静な反応」という明らかな記述は見当たらなかった。

   今回の自国メディアの締め付けから、中国側は日本への態度を緩める気は毛頭ないとのサインとも受け取れる。前中国大使の丹羽宇一郎氏は、10月2日付の日本経済新聞電子版のインタビューに「中国の反日はまだ5年は続く」とこたえた。反日が高まるのは、中国の権力基盤が弱まって国内政治が不安定になった時期で、政権が求心力を維持するために起きるのだという。2012年9月に中国各地で反日デモの嵐が吹き荒れ、その後両国関係は冷え込み、今に至るまで日中首脳会談は行われていない。この間中国では、指導者が胡錦濤氏から習近平氏に交代し、体制の移行期には派閥争いも伝えられた。

   習体制が基盤を固めるまでは4~5年、国内を抑えるうえで軍の支持を重視し、政治も軍寄りになるというのが丹羽氏の見立てだ。当面は「党の舌」である中国メディアが、日本に激しい言葉を浴びせかけてくるのは間違いない。

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