医療再生論文、入選は福井県の井階さん 福井・高浜町での医療の実践報告

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   神奈川県保険医協会(森壽生理事長)は2013年10月11日、創立50周年を記念して募集していた「日本医療再生の懸賞論文」の受賞者を発表した。入選(賞金100万円)は、福井県・高浜町国民健康保険和田診療所医師の井階友貴さん(32)で、佳作(同20万円)には沖縄県中部病院経営アドバイザーの藤井将志さん(30)が選ばれた。このほか特別に審査委員長賞(同10万円)が2人に贈られる。授賞式は11月30日。

地域医療の主役は住民

   入選した井階さんの論文は「住民・行政・医療の“和”と“輪”を拡げる理想の医療・地域づくり」。医師不足地域の人口1万人の高浜町での、医師・行政・住民の「協働」による地域づくりと医療の実践報告だ。具体的には地域に必要な総合医づくりに協力するための研修医の受け入れ、地域医療の主役は医師でなく住民との考えからの「たかはま地域医療サポーターの会」の活躍がある。同会は「関心を持とう」「かかりつけを持とう」「からだづくりに取り組もう」など「か」で始まる「地域医療を守り育てる五か条」を住民に浸透させる活動を展開し、効果をあげている、という。全国で通用する普遍性があると評価された。

   佳作の藤井さんは「日本の医療に残された道」。実現性はともかく、ユニークな提言が注目を集めた。医療費の財源の根本解決は経済成長であり、そのためには人口増が不可欠とし、年20兆円の子育て支援金を高齢者の資産から捻出する。また、患者のためにならない現行制度を改め、たとえば診療報酬も全国一律から地域ごとにする、など。

   また、審査委員長・特別賞は青森県保険医協会医師の大竹進さん(61)を代表とする共同チームの「被災地から医療再生と社会保障を考える」、同・奨励賞は静岡大学人文社会科学部法学科准教授の神馬幸一さん(36)で、医療事故に的を絞った「医療の視点が司法に活かされるための制度設計」だった。

   保険医協会は開業する医師、歯科医師の地域団体で、神奈川県保険医協会は約5700人の会員がいる。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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