国内では3期連続の減益
一方で、国内ユニクロは不振が続いている。保温性に優れた肌着「ヒートテック」や通気性の高い肌着「エアリズム」などの主力商品は売れ、客数は前期比12%増だったが、値引き商品やシーズン末期の在庫処分に売り上げが集中し、粗利益率が低下。売上高は前期より10.2%多い6833億円、営業利益は同5.4%少ない968億円で、3期連続の営業減益だった。フランチャイズを含めた店舗数は853店で、前期比8店の増加にとどまり、もはや飽和状態といえる。
同社が目指す「真のグローバルブランド」になるためには、屋台骨である国内ユニクロの再構築が待ったなしだ。まずは従来の価格訴求から、商品の素材の良さをアピールする方針に転換することで、利益の積み上げを図る。秋冬商戦では、カシミヤやシルクを使った比較的高価格の商品を前面に打ち出す。また東京都心に大型店を出店するなどして、「ユニクロは郊外店」というイメージを打破する考えだ。