アップルが日本の「App Store」で価格改定を行い、アプリやアプリ内コンテンツの価格が引き上げられた。円安を反映させたという。
スマートフォンゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)の課金アイテムや、「LINE」のスタンプも値上げされ、ネットでは「早く買っときゃ良かった」「課金する気うせるわー」など、残念がる意見が大量に書き込まれている。
「魔法石」1個85円から100円に値上げ
パズドラは、ガンホー・オンライン・エンターテイメントが提供する人気ゲームで、2013年10月14日には国内累計2000万ダウンロードを突破した。パズルゲームとロールプレイングの要素を併せ持ち、パズルを色別にそろえると仲間のモンスターが、敵キャラクターを攻撃する。プレイヤーは所有するモンスターのレベルを上げながらステージを進めていく。
基本プレイは無料だが、「魔法石」という課金アイテムを使うと、ゲームを短時間で進められ、レアモンスターを手に入れやすいという仕組みだ。ゲームに多くの時間を費やせるユーザーは地道な努力をして成果を出すが、プレイ時間を短縮してゲームを楽しみたい人は魔法石を購入していた。
しかし、アップルが10月18日、「為替レートの変更」を理由にアプリ本体やアプリ内の課金コンテンツを値上げした。これに伴いパズドラの魔法石も1個85円から100円に引き上げられた。ちなみに1回「ガチャ」をするのに魔法石は5個必要となる。
価格改定についての事前告知がなかったため、
「魔法石1個100円とかマジかよ…」「値上げされるなら早く買っとけばよかった」「課金する気うせるわー」
とネットでは大騒ぎになった。
中にはアップルによる価格改定が原因と知らないユーザーから、パズドラの運営を非難する声も出て、パズドラのプロデューサー山本大介さんが、
「今回の魔法石値上げの件、AppStoreのレート変更によるものなので、日本中のアプリ価格が一斉に改定されています。 パズドラが売上を上げたいとかそういう意図ではありませんのでご理解くださいm(_ _)m」
とツイッターで釈明する騒ぎとなった。
同社は、アイテム価格の変更が事後報告となったことをお詫びするとともに、「魔法石の価格の改定も検討」していると発表した。
LINEのスタンプも値上げ
App Storeのアプリ価格は米ドルを基準としている。前回価格改定をした2011年7月のときは、円高ドル安だったため値下げが行われたが、今回は円安ドル高の状況を反映して値上げになった。日本のApp Store全体での価格改定のため、パズドラだけでなく他のアプリにも影響が出ている。
メッセージアプリ「LINE」のスタンプなども170円から200円に値上げした。LINE株式会社の執行役員・舛田淳さんはツイッターで、「LINE側としては『上げたくなかった』というのが正直な気持ち」と説明した。同社は、iPhoneユーザーとAndroidユーザーとの間に支払い金額の差が出ないようにと、「両方のOSを対象として価格変更を行うこととなりました」と、Android向けのコンテンツの値上げも実施した。
Androidユーザーも「噂通りApp Storeのレート変更になったか。そして値段合わせるためにAndroid版も値上げしてる有料アイテムが…」とツイートするなど、他人事ではなないようだ。