「解雇特区」実現、見通し立たず 政府内でも厚労省は慎重姿勢

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法案の議論は10月中にはまとまらない見通し

   解雇規制緩和への批判の強さに、推進する側も防戦に追われている。八田座長は10月4日の自民党の会合で「解雇特区ではなく雇用創造特区だ」と強調。新聞の朝日新聞のインタビュー(10月11日朝刊)でも「基準がはっきりすれば、人を雇うことへのためらいをなくせるので雇用が増える。あいまいなルールで、決着をすべて裁判に任せるのは時間の無駄」と狙いを説明。簡単に解雇するが給料は高い外資系企業などを例に、「交渉力ある人まで縛るのは間違い」「職業を選択できる人には契約の自由を与えていい」と強調している。ただ、全国に広げる考えかと問われると、「微妙な問題で、発言は控えたい」と明言を避けている。

   安倍内閣は法人税減税や投資減税の果実を賃上げの形で労働者に還元するよう、経済界に要請。経団連は前向きな対応を会員に求めえる方向で、その裏には解雇規制緩和への期待がある。一方の連合は、賃金交渉への政府の介入には懐疑的で、特に賃上げ論に釣られて解雇規制緩和の議論に巻き込まれるのを警戒している。

   臨時国会は15日にも召集されるが、解雇規制緩和を含む国家戦略特区関連法案の議論は10月中にはまとまらないとの見方もある。国会に提出されても、野党側の多くの反発も予想され、行方はなお混とんとしている。

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