「ホワイトカラー・エグゼンプション」は見送る
ただ、WGが当初検討した労働時間規制の特例導入「ホワイトカラー・エグゼンプション」(一定の年収がある場合に労働時間の規制をなくし、残業代や深夜・休日の割増賃金を支払わない)は、「議論を詰め切る時間的な余裕がない」(八田座長)として、今回は見送った。
この問題の批判にはいくつかの論点がある。(1)解雇しやすくするのはいけない、労働者を大事にしない「ブラック企業」を野放しにする、(2)特区による規制緩和を突破口に、地域限定でなくやがて全国で解雇規制を緩める狙いではないか(3)労働規制が地域によって異なるのはいけない、全国一律であるべきだ――という3つだ。労働界から主に(1)や(2)の立場から反対論が噴出しているのは当然として、政府内で厚労省が(3)の考えから慎重な姿勢を崩しておらず、田村憲久厚労相は4日の会見で「労働者の権利の根源に関する部分に関しては、やれないことはやれない」と述べた。