欧州の2番手に相次いで惨敗したサッカー日本代表のザッケローニ監督(60)に対し、専門家から解任論が相次いでいる。固定メンバーばかり起用し、チャレンジ精神がないというのだ。
ザックジャパンに暗雲が垂れ込めたのは、2013年6月にコンフェデ杯で3戦全敗してからだ。このときは、強豪相手だったが、10月の欧州遠征2戦では、格下にさえ次々に敗れてしまった。
武田修宏氏「日本サッカー協会も踏み込んだ議論を」
10月15日のベラルーシ戦では、前半終了間際に強烈なミドルシュートを決められ、後半も攻めきれずに、0対1で敗れた。11日のセルビア戦も0対2と、2試合で1点も取れない惨敗ぶりだ。ベラルーシもセルビアもW杯欧州予選で敗退しているチームで、これでは8か月後のブラジルW杯本番でグループステージも突破できない可能性さえ報じられている。
戦犯として名指しされたのが、ザッケローニ監督だ。
東京スポーツの16日付記事では、元日本代表FWの武田修宏氏が、監督に対し「解任やむなし」とコメントを寄せた。武田氏は、セルビア戦に比べて、日本はパスが回って積極性があったとしながらも、FW柿谷曜一朗選手(23)をクロスに合わせようとさせるなど、「チーム戦術と起用する選手のミスマッチには大きな疑問が残った」とした。守備も弱体化しており、「世界レベルでは通用していない」という。
武田氏は、2戦で打開策が見えなかったのは、欧州組の起用に固執してチームを活性化できない監督の責任だというのだ。そのうえで、韓国やオーストラリアもW杯を前に監督を交代させており、日本サッカー協会も踏み込んだ議論があってもいいと指摘した。後任としては、元アルゼンチン代表監督のマルセロ・ビエルサ氏(58)かJ1浦和のミハイロ・ペトロビッチ監督(56)がいいのではないかと薦めている。
セルジオ越後氏「日本のマスコミは甘い」
サッカー解説者のセルジオ越後氏も、サッカーキングの2013年10月16日付記事で、ザッケローニ監督解任論をぶっている。
セルジオ氏はそこで、リードされながらもFWに代えてDFを入れたりするなど、監督の采配におかしな点が目立ったと批判した。選手も固定メンバーばかりで危機感がなく、「このチームは、限界が来ている」と指摘する。そして、「よその国なら、というか普通の国なら、間違いなく解任論が噴出するはずだ」と断じている。
ツイッターでも解任論を唱えており、「日本サッカー協会も監督交代を考えていかないとダメじゃないかな?」「日本のマスコミは甘い。ファンも甘い。今の代表には刺激が必要だよ」とまくしたてていた。
また、元日本代表MFの水沼貴史氏は、夕刊フジの16日付コラムで、ザッケローニ監督が「ファウルで止めろ」と選手に指示したとして批判した。選手は指示を守るしか速攻を防ぐ策がないと受け止めてしまう弊害があるというのだ。水沼氏は、「来月対戦するオランダ戦で、この試合のようなプレーをしていたら、何点取られるかわからない」と指摘している。
ネット上でも、ザック解任論に同調する声は多いようだ。「弱いのは選手のレベルじゃないの」「後任がおらん」といった擁護論はあるものの、専門家らの指摘に「まさにその通り」「正論過ぎる」といった反応が次々に出ている。