自動運転「すぐにクルマを操作できることが前提」
とはいえ、どうやら今回の「自動運転」の問題点は、やはり「手放し運転」にあったと思われる。
じつは現状、「自動運転」は公道ではドライバーが常に安全を確認し、必要があればすぐにクルマを操作できることが前提になっている。あくまで人が運転する際の「補助機能」としての「自動運転」であって、そのことはトヨタも承知している。
そのため、自動運転であっても、本来ドライバーはハンドルを握っていなければならないわけだ。
一方、現行の道路交通法は、公道でドライバーがハンドルから手を放す行為を認めていない。しかし、自動運転であることをテレビの視聴者に理解させるためにはドライバーがハンドルを握っていてはわかりづらく、ハンドルから手を放してもらう必要があった。
つまり、「演出」が、関係当局からの誤解を招いた可能性はある。
国交省によると、「自動運転の定義については、まだはっきりしたことは決まっていません。(ハンドルを握っていないといけないのかどうかは)課題で、今後解決しなければなりません」と話している。