農水委員会で「国会バージョンで国産の牛肉も使っていただけるような形に」と注文
だが、吉野家によると、「牛重」は、衆院からの「普通の吉野家にはない『お値打ち感』のあるものを」というリクエストに応じて開発されたものだ。6月19日の衆院農林水産委員会では、メニューの内容について突っ込んだやり取りも行われている。日本維新の会の村岡敏英衆院議員が、
「農林大臣として、国産の牛肉、国産の米を勧めている。それが(米国産の牛肉を使っている吉野家が)国会の中のそこに入ってくる。このことに関してはどう思われるか」
と吉野家の出店に疑問を呈したのに対して、林芳正農水相が
「国産の農産物をできるだけ活用していただきたい」
と答弁。長島忠美政務官は、さらに踏み込んだ。
「できれば、国会バージョンで国産の牛肉も使っていただけるような形にできればありがたい」
「牛重」は、このやりとりを踏まえて開発された。割高な国産牛を使用した上に、1店舗でしか販売しない分コストも上がる。その結果の1200円という価格設定だとみられる。そのため、吉野家にとって「牛重」を他店舗で展開することは合理的ではないとみられ、吉野家の広報担当者は他店舗での展開を否定している。
また、この委員会でのやり取りによると、吉野家の出店は最終的には議運の理事が検討して決めている。平沢氏は議運理事のひとりで、自らの決定を批判していることにもなりかねない。