米アップルのスマートフォン「iPhone5s」の画面が青一色の「ブルースクリーン」になり強制的に再起動されてしまう。こんな現象がインターネット上で複数報告されている。ブルースクリーンといえばWindowsに深刻なエラーが発生したときに表示される画面で、英語ではBlue Screen of Death(死の青い画面)とも呼ばれる。
iPhoneはマイクロソフトではなくアップルの製品だが、買ったばかりの最新機種にブルースクリーンが表示されたことに、ユーザーは「どういうことなの…」と心配する声があがっている。
池田信夫「iPhone5sが死んだ…」
「iPhone5s」は2013年9月20日に発売されて以降、国内では在庫が不足するほど人気の商品だ。同時期に発売された廉価版「5c」に搭載しているタイプより高性能な64ビットのA7プロセッサを使用し、パフォーマンスの高さを売りにしている。ホームボタンに 「Touch ID」を内蔵して指紋認証機能も備えた。
しかし、同機種の使用中に突然画面がブルースクリーンになるという報告が、一部ユーザーから相次いでいる。自由度が増す代わりにメーカー保証対象外となるジェイルブレイク(脱獄)をしたわけでもなく、普通に使用している最中に画面が青色に切り替わり自動的に再起動を始めてしまうという。
経済学者の池田信夫さんも「iPhone5sが死んだ…」と青色になった画面の写真を添付して、「何もしてないのにいきなりフリーズし、最初は再起動すると直ったが、ついに死んでしまった」と、ツイッターやブログで同様の報告をした。初期化してデータを消しても不具合は続くといい、「これはハードウェアに欠陥があるとしか考えられない」と訴えた。
「64ビットがどんなにすぐれていても、こんな致命的な事故が1週間もたたないうちに起こる製品を世に出すアップルはおかしい。少なくとも3Gのときは、こんな事故は一度もなかった」
と激怒している。
池田さんの他にもツイッターなどでは、
「ブルースクリーン強制再起動が多発中。今日一日だけでも4回。。。昨日5sを購入したばかりの家族の端末でも1回起きています。今後のソフトウェアのupdateで解決すると良いのですが」「iPhoneブルースクリーン2回目来た。直前に怪しい挙動があって、SS撮るんだけど、クラッシュしたあとにデータが残ってない」
と、ブルースクリーン表示後の再起動が多数報告されている。
「iWork」アプリがブルースクリーンの引き金か
同様の事例は英語のアップルサポートコミュニティでも議論になっている。ブルースクリーン発生の引き金ではないかとされているのが、iOSアプリ「iWork」のワープロソフト「Pages」や表計算ソフト「Numbers」を起動しながら、他のアプリに切り替える動作だ。どういった原因によるものかは不明だが、iCloudによるiWorkアプリの自動同期機能をオフにすると、ブルースクリーンになるのを防げるという。
アップルからは10月15日現在、この件についての発表はない。J-CASTニュースはアップルジャパンに電話取材したが、担当者が不在ということだった。
iPhoneで不具合が発生したときにユーザーは、全国7店舗のアップルストアや、オンライン修理サービス、ビッグカメラなどの「アップル正規サービスプロバイダ」を利用する必要がある。携帯キャリアが修理を受け付けていないため、他の携帯電話のように端末を購入したショップで修理を依頼できない。
池田信夫さんはauショップで修理を断られ、その後「iCloudのアカウントを削除したら安定した」というが、「どんな電気製品でも、買った店で修理を受け付けないということはありえない。消費者庁はアップルに改善勧告すべきだ」と憤慨している。