NISAでなければ、税率は現行の2倍になる
株式投資などで得た利益に税金がかからないのはうれしい。株式の配当金や投資信託の分配金は5年間、毎年投資額(1年間上限100万円)の数%程度が非課税になる。株式などを売却した際に得られる譲渡益では、場合によっては2倍を超えて殖えることもあるので、「NISA」による非課税効果はさらに大きい。
そもそも、NISA導入のきっかけは増税だ。現行、譲渡益や配当金には10.147%の税金がかかっているが、それが2014年からは約2倍の20.315%になるのだから、個人投資家が「使いたくなる」のも無理はない。
とはいえ、やはりウラもある。株式や投資信託は元本割れもあり得るリスク商品なので、儲かるときがあれば、損することもある。通常であれば、たとえばA株で200万円の利益を得て、B株で100万円を損失した場合、A株とB株を合算(損益通算)して100万円分の利益に課税される。
ところが、NISA口座ではそれが認められていない。しかも、NISA口座で保有している株式と他の口座で保有している株式が合算できないばかりか、NISA口座内の株式のあいだでも損益通算できないのだ。
もちろん、3年間の損失繰り越しもできない。