ヤフー「eコマース革命」の衝撃 楽天だけでなく新興ECサイトにも影響か

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   ヤフーが「Yahoo!ショッピング」新戦略を打ち出し、ユーザーが殺到している。新規ストア出店希望数が、1日で通常の数百倍となる約1万件を突破した。新たに開始した「個人」による出店希望数も約1万6000件にのぼった。

   国内のECモールといえば楽天市場の天下だったが、ヤフーが急速にそれを追いかけ始めた形だ。いったい何が起こっているのか。

出店料無料化で楽天市場を猛追

   「Yahoo!ショッピング」では従来、出品企業から出店料(初期費用2万1000円、月額費用2万5000円)と、売上ロイヤリティ(売上の1.7~6%)を徴収していた。だが、ヤフー会長を務めるソフトバンクの孫正義社長が2013年10月7日、「eコマース革命」として「Yahoo!ショッピング」の上記費用すべての無料化を発表し、「2019年までに国内EC流通総額商品数で1位になる」とぶち上げた。

   ヤフーの新戦略による料金改定を受けて、手数料の負担などを理由で出店に躊躇していた人や、他のECモールを利用しているユーザーが殺到したと見られている。

   販売店は「Tポイント」の負担や決済手数料などはあるが、楽天市場に出店するための費用負担と比べてヤフーの料金設定は割安だ。楽天市場では、初期登録費用として6万円、月額出店料1万9500~10万円、売上ロイヤリティ2.0~6.5%が必要となる。

   ネットでは新戦略で猛追するヤフーについて、

「Yahooがショップサイトの出店、その他をタダにしたから楽天から大分流れちゃうんじゃあないかな」
「お店の数はすぐ楽天を抜きそうやなぁ」
「やっぱこれ反響すごいなぁ。 楽天も戦々恐々としてんじゃないかな」

などと、楽天を追い抜くのではという見方も出ている。

   ただ現時点では、楽天市場が出店数は約4万、商品数約1億5000万点の一方、Yahoo!ショッピングの出店数約2万、商品数約8000万点と大きな差があり、出店者が重視する集客力にも課題がある。

   ヤフーは「Yahoo!検索」や「Yahoo!知恵袋」などの自社サービスから「Yahoo!ショッピング」への誘導を強化して集客力を高める予定だ。

「本気でeコマース業界の他業者をつぶしにかかった」?

   「Yahoo!ショッピング」の出店料など無料化は、従来の囲い込みによる「手数料モデル」から脱却し、「広告収入モデル」に大きく舵を切ったことを意味する。出店者の金銭的負担を減らし、商品数の拡大や価格競争力を強化して、アクセス増による広告収入アップという循環を狙う。

   楽天を含め多くのECモールは、出店者を集めて囲い込み、手数料や売上ロイヤリティを徴収するビジネスモデルをとっている。今回のヤフーの新戦略でECモール業界の価格競争激化が予想され、発表翌日から同社と楽天の株価が下落した。しかし、10月8日のブルームバーグの記事によると、取材に対して楽天は、EC市場に強みがあるとして、料金体系変更の予定はないと答えるなど静観の構えだ。

   また、楽天以外の新興ECサイトへの影響も必至だ。ネットでは、手数料無料が売りのネットショップ作成サービスなどについて、

「Yahooさん、本気でeコマース業界の他業者をつぶしにかかった・・・これがどんな影響を与えるのかな。BaseとかStores.jpとかどう動くかな」
「今話題のこれ、楽天云々の前に、STORESやおちゃのこなど小さなところがとりあえず大打撃受けるんじゃなかろうかと」

といった見方が出ている。

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