単独で生き残るのは難しい
世界首位と3位であってもこうした開発費負担は重くのしかかっており、その危機感から昨年12月にアプライドマテリアルズ側の打診で統合交渉が始まり、つまずくことなくゴールインした。業界からも「2社の統合には驚いたが、再編自体は当然の流れ」との指摘も少なくない。
一方、顧客である世界の半導体メーカーは、日本勢が脱落していくなか、米インテル、韓国サムスン電子、台湾TSMCへと集約され、今では3社は「ビッグ3」と呼ばれるまでになった。圧倒的な生産力を誇る巨大メーカーとなったことで、今では「ビッグ3の仕事を受けられなければやっていけない」とまで言われるようになっている。今回の統合には、開発費負担の軽減に加え、こうした発言力を強める半導体メーカーに対し、価格交渉力を取り戻す狙いもあった。
いずれにせよ、厳しい市場環境の下、半導体製造装置メーカーが単独で生き残るのは難しくなっている。世界規模で再編機運が盛り上がれば、製造業全体にも影響を与えそうだ。