金融庁は2013年10月11日、投資助言会社大手のアブラハム・プライベートバンクに対して、同日から2014年4月10日までの6か月間の業務停止命令を出したと発表した。金融商品取引業のすべての業務を停止させる。顧客保護のため、投資顧問契約の解約業務は続けさせる。
あわせて、同社が関与したすべてのファンドについての取り扱い状況の報告など7項目に渡る業務改善命令を出した。業務改善命令では「投資者保護のために万全の措置を講ずる」「無登録金融商品取引業務を直ちに停止し、適切な再発防止策を講じる」「広告審査にかかる内部管理体制を整備」「本件行為の責任の所在の明確化」などを求め、1か月以内に書面で報告するよう命じた。
アブラハムは「いつかはゆかし」という老後資金を毎月積み立てる会員制サービスを展開。金融庁は金融商品販売事業者の登録をせずに海外ファンドを事実上販売したり、事実と異なる広告を出すなどの行為を金融商品取引法違反と認めた。アブラハムをめぐっては証券取引等監視委員会が3日、同社を行政処分するよう金融庁に勧告していた。