JAL、ANA、国交省は「影響なし」でも韓国LCCには怪しいケースが…
だが、韓国側の報告書で指摘されている件数にカウントされているかどうかは定かではないものの、「怪しい」ケースは報じられている。12年5月10日に朝鮮日報が報じたところによると、4月29日午後、大韓航空の子会社にあたる格安航空会社(LCC)のジンエアー機(新千歳空港発仁川空港行き)が着陸に向けて高度を下げていたところ、対地接近警報装置(GPWS)が誤作動した。新型のGPWSではGPSを活用しており、衝突を回避するために、不用意に地面に近づくと警告音が鳴る。機長は誤作動に驚き、機首をいったん上げて上空を旋回し、着陸をやり直した。乗員・乗客にけがはなかったが、「一歩間違えれば大事故につながりかねない危険な状況だった」(朝鮮日報)という。
金泰栄(キム・テヨン)国防相(当時)が10年10月に国会で明らかにしたところによると、北朝鮮はトラックに載せて運べるタイプの妨害電波発信機をロシアから購入しており、半径50~100キロメートルの範囲にわたってGPSに障害を与えることができるという。韓国政府は、一連の妨害電波は比較的ソウルに近い北朝鮮南部の開城(ケソン)から発信されているとみている。
ただし、北朝鮮郵政省は12年5月18日、国営朝鮮中央通信を通じて、
「一言で言えば、一味(韓国政府)は自らの不名誉を振り払おうとして他人を非難するという根深い悪習に固執している」
と関与を否定する談話を発表している。