恋人だけに許したはずのヌード写真などが世界中の好奇の目に晒される――。そんな恐ろしい事例がインターネット上に蔓延している。
嫌がらせ目的で別れた相手の卑猥な画像を投稿することは「リベンジポルノ」と呼ばれ、元恋人や元配偶者への復讐と手段となっている。アメリカでは、カリフォルニア州がリベンジポルノを禁止する法律を定めるほど深刻化している。しかし、同様の事例は日本でも多発しているようだ。
米では専用投稿サイトも乱立
2013年10月1日、カリフォルニア州はリベンジポルノに関する法律を施行した。これにより、嫌がらせ目的で、相手を特定できるヌード写真や動画を被写体の許可なしにインターネット上に投稿することが禁止された。
法制定の背景には、リベンジポルノ専用の投稿サイトの存在があった。代表的なサイト「IsAnyoneUp.com」は昨年4月に閉鎖されたが、類似サイトはいくつもある。その多くが画像削除には有料でしか応じず、自殺する被害者も出るほど社会問題化している。セキュリティ企業「マカフィー」が実施した調査によると、恋人と別れた人のうち10%が、元恋人のわいせつ写真をネット上に公開すると脅した経験があると回答。さらに、そのうちの約60%が実行に移されているという。
最近の事件の影響もあるのか、日本でもリベンジポルノへの関心が高まっている。ハフィントンポストやBLOGOSなどいくつかのサイトも問題に触れた記事を出している。携帯端末で撮影&投稿を手軽にできてしまう今、インターネット上を見渡せば、無断投稿と思われる日本人の卑猥画像がいくらでも見つかるのだ。中にはファイル共有ソフトのウイルス感染での流出もあるだろうが、意図的な投稿を示唆する画像も目立つ。もちろんこれらは、名誉毀損やプライバシー侵害にあたる立派な犯罪だ。公開するといって脅せば脅迫罪にもなりそうだ。