法人税の実効税率を引き下げ 大企業優遇か、賃上げに結びつくのか

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エコノミストの間では、効果を認める声は多い

   首相が法人税率を引き下げ、企業の負担を軽くしようとする狙いの一つは賃上げにある。エコノミストの間では、その効果を認める声は多い。第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは「法人税減税が家計に全く恩恵をもたらさないかというと、そうではない」と話す。「復興特別法人税減税は企業の当期利益を増やし、配当金額を増やす。間接的に家計への配当還元額を増やすと期待され、個人消費には約700億円のプラス効果になる」という。熊野氏は「消費増税の痛みを緩和するために公共事業を積み増すより、法人税減税を起点にして、雇用・所得、設備投資を増やす方が有効だ」と指摘する。大和総研の斉藤勉エコノミストも「法人税減税は製造業の生産拠点が海外に移転することを食い止めるなど、有効な効果がある。実効税率を10%引き下げることができれば、国内生産は4.7兆円程度増加する」と主張する。

   ただ、国民の消費税増税による負担増は相当な額にのぼる。大和総研の試算では、年収500万円の会社員と専業主婦の妻、小学生の子供2人の世帯で、消費税引き上げに伴う負担増は年間6万7000円。仮に負担増分を穴埋めして家計が経済成長を実感するには、年率3%の賃上げが必要という。

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