一般論として「発生物責任の観点から、東京電力の敷地内で管理したらどうか」
そこで噴き出すのが「福島集約論」だ。桜田義孝・文部科学副大臣は、13年10月5日に千葉県野田市で開かれた「東葛行政懇談会」の会合で、この論を披露したようだ。会合には県北西部の自治体の市長、県選出の国会議員などが出席しており、早期の最終処分を求める声があがったという。桜田氏の正確な発言内容は不明だが、発言を報じる記事によると、
「原発事故で福島には人が住めなくなった所がある。そういう所に置かせてもらったらいい。みなさん、どうですか」(朝日新聞)
「原発事故で人の住めなくなった福島の東京電力の施設に置けばいい」(共同通信)
と発言したという。「住めなくなった」が係る名詞が、朝日の記事では福島そのものだと読めるのに対して、共同記事では「福島の東京電力の施設」と限定的に読める。だが、「人が住めなくなった福島」といった理解をした人も多かったようで、発言に対する批判が相次いだ。
菅義偉官房長官が10月7日午前の記者会見で明らかにしたところによると、桜田氏は、
「一般論として、発生物責任の観点から、東京電力の敷地内で管理したらどうか、という意見もある。そういう趣旨で発言した」
と釈明したが、菅長官は
「全体の発言として誤解を与える発言は副大臣として慎むべき。慎重に行うべき」
と口頭で注意したという。
下村博文文科相も、翌10月8日の会見で
「福島の人たちの心情を十分に理解していない、思っていない発言だということで、私の方から厳重に注意した」
と発言を批判した。