ネットの普及で「自国の問題」知ってしまう?
イルポンの正体は、いったい何者なのだろうか。韓国内では10代など若い世代が多いと見る向きが多い。2012年には、「自分は大日本帝国臣民だ」などと自称していた13歳の韓国人少年が太極旗を燃やした写真をネットに公開し、検挙される事件が実際に起こった。この事件は日本でも話題となったが、実はほかにもこの前後には同様の騒動が2件発生している。彼らはともに10代で、典型的なイルポンだった。
ある韓国ブロガーは、イルポンが生まれる理由をこう分析する。
「問題は、ナショナリズムを強調し、反日感情をあおる韓国内の教育だ。子どもたちは極端な愛国者として育てられるが、中高生にもなればネットの普及もあり、どうしても自国の問題点を知ってしまう。そうした若者の一部が、ナショナリズムの代わりに日本に拠り所を求めるのでは」
アニメに代表される日本文化の影響も指摘される。完成度の高い日本アニメなどを通じて日本そのものへの関心を深めた若者たちが、10代特有の「自分は他人とは違う」という反抗心もあいまって、ことさらに「日本好き」を標榜するようになるとの見方だ。こうしたことから、イルポンを「中2病」(韓国でも日本に近い意味で使われている)の一種だと見る向きもある。「そのうち治る」との楽観的見方だが、その真偽は定かではない。