財務省や金融庁には反対論も
金融2社については、米国政府も環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の日米事前協議で、「暗黙の政府保証があり、公平な競争環境が確保されない」との懸念を伝え、金融2社の業務拡大に反対している。
グループの持ち株会社である日本郵政と金融2社の同時上場にこぎつけても、日本郵政株の3分の1超を日本政府が保有する「特殊会社」という位置づけは変わらず、米政府の態度が軟化するかどうかは不透明だ。
一方、親子上場に対しては、親会社の意向で上場子会社の経営戦略が左右されれば、少数株主の利益を損なうとの批判もあり、財務省や金融庁には反対論もあるようだ。
ただ、日本郵政の2013年3月期の連結純資産は12兆4482億円。政府保有株の3分の2を売却した場合、約7兆円が国庫に入る計算で、東日本大震災からの復興の貴重な財源になる。かつてのNTTと並ぶ大型上場が成功するかどうか市場関係者の関心は高く、年末に向けて政府内調整も本格化する。