スイス与党議員が「姥捨山」構想 コストが安いモロッコに「年金老人」を移住させる

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すでにドイツでは「老人の輸出」が問題化

   ジュネーブとモロッコとでは直線距離にして1900キロ程度あるが、隣国同士、とりわけ介護が必要な高齢者にとっては、この動きはすでに現実化しつつあるようだ。ブルームバーグは13年9月16日、ドイツの認知症の女性(94)がポーランドの介護施設に入所したケースを紹介している。ドイツでは、このような「老人の輸出」が問題化しており、ミュンヘンの主要紙は「老年植民地主義」と批判しているという。それでも国民にとっては、背に腹は代えられないようだ。ポーランドの介護施設の場合、ドイツと比べて費用が3分の1に抑えられるということもあって、調査会社「TNSエニムド」の調査によると、5人に1人が国外で介護サービス利用を検討しているという。

   欧州委員会の12年の調査によると、ドイツ人の長期介護にかかる費用は、現在は国内総生産(GDP)比1.4%なのに対して2060年には3.3%に大幅に増える。このような背景もあって、今後「老人の輸出」がさらに加速しそうだ。

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