激安を謳う看板を掲げて客を引き寄せる
国民生活センターによれば、コインパーキングの表示に関するトラブルの相談件数は2008年度の108件に対し、12年度は243件と年々増加している。相談の内容は看板に表示されている意味が分かりづらく、細かい利用条件が見づらいという利用料金に関するものと、「お釣りが出ない精算機である」といった説明書きが小さいというものが多いという。
センターの担当者によると、「一日最大1000円」と看板に大きく書かれていれば利用者はそれを信じてしまう。詳細な説明を表示していて、利用者がその確認を怠ったと反論する業者もいるかもしれないが、車に乗ってパーキングに入るため細かな文字を確認するのは困難だ。入り口で下車して確認すれば、渋滞や事故につながる可能性がある。
「利用者の過失ではなく、明らかに業者の対応の問題なんです。そのため関係団体には適切な表示を行うことと、不当な料金請求をしないよう申し入れました」
遊休地の有効利用に詳しいコンサルタントに話を聞くと、業界の実態をこう明かした。
コインパーキングの場合はいかに回転率を上げるかで利益を競っているが、儲けるための「別の仕掛け」をしている業者も存在している。それが国民生活センターが問題にした「看板商法」なのだという。
激安を謳う看板を掲げて客を迎え入れた後に、割高に設定している細かな規定で収入増を狙う手口だそうだ。また、つり銭が出ない精算機は古かったり、低価格タイプだったりする。つり銭を補充する手間がかからないためコスト軽減になる。
「あの手この手で利益を上げようとしてきたわけですが、利用者の反感もずいぶんかってきましたし、今回の国民生活センターの改善要求がショックとなってこれからはもっと健全な業種になっていくのではないかと予想しています」
こうコンサルタントは話している。