ビッグデータは「宝の山」か 大丈夫?「個人情報」集めて1兆円ビジネス

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   インターネット上に存在する個人の検索履歴や商品購入履歴などビッグデータを活用した新たなビジネスが成長し、私たちの生活に革命的な変化をもたらすかもしれない。これまで個人の購入履歴を活用してきたアマゾンや楽天に代表されるネットの小売業だけでなく、医療や自動車、金融や農業など幅広い分野にビッグデータが活用され、私たちの生活が便利になる可能性がある。

   しかし、膨大なビッグデータの中には個人情報も含まれており、プライバシーの保護など新たな課題も抱えている。

購入履歴から、年齢、性別などの属性を分析

   ビッグデータの定義はあいまいだ。よく知られたビッグデータには、私たちがアマゾンや楽天などのネットショップで商品を購入した場合の購入履歴がある。ネット企業は膨大なユーザーの購入履歴から、年齢、性別などの属性を分析し、その商品を購入した人物の好みを割り出し、お薦めの商品を紹介するなどしている。

   ビッグデータは、これら個人の購入履歴だけでなく、ウェブ検索の履歴、運転する自動車の位置情報や電子化された患者のカルテなど、電子化によって企業や公共機関などに蓄積された膨大なデータを含む膨大なデータのこと。これらの中には死蔵されてきたデータも多く、これを活用することで、新たなサービスや商品を生み出す動きが強まっている。

   一例を挙げると、医療機関では電子カルテの普及で、CTやMRIなど先進医療機器で把握した患者の診断データが蓄積されている。現在はこれらのデータを医療機関が個別に管理しているが、もし医療機関が共有して分析すれば、それぞれの患者の状態に応じた最適な新薬や治療方法を生み出すことができるということだ。

   また、自動車の場合、カーナビの位置情報に画像カメラなどを組み合わせることで、リアルタイムで渋滞状況などを把握し、それをもとに自動車の自動運転が可能になる。既にトヨタ自動車は、純正カーナビ搭載の約330万台のトヨタ車から走行データを収集し、2013年6月から自治体や一般企業向けに渋滞など道路交通情報の提供を開始した。

   トヨタはマイクロソフトとクラウド技術で提携、米フォードはグーグルとデータベースによる運転者の行動予測技術研究で提携しており、将来的にはビッグデータを活用した自動運転が実現しそうだ。米国ではグーグルが公道の走行実験を始めている。

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