黒く塗られているものの、女子高生ともみられる女性の性器が透けて見え…。鳥取県で行われている町おこしイベントのホームページに、こんなイラストが掲載され、県警の指導で主催者らが削除する事態になっている。
イラストが載ったのは、鳥取県米子市内で2013年9月28日から始まった「米子映画事変」のホームページ上だ。「妖怪秘宝館」コーナーのトップに、イラストが載っており、その下のリンクからは、イラストが載ったちらしも見られるようになっていた。
女子高生ともみられる女性の性器が透けて見え
イラストを黒い透かしからよく見ると、制服姿ともみられる女性が大きく股を広げ、性器も透けて見えるようになっていた。また、イラストには、女性をいじる小さな妖怪がいくつも描かれており、これは黒く塗られていなかった。
町おこしイベントは、アニメ制作会社「ガイナックス」などで作る実行委員会が主催し、鳥取県の事業「まんが王国とっとり」から補助金が出ていた。イラストについては、一般の人から指摘があり、県警では、わいせつ物頒布を禁じた刑法175条などに抵触する恐れがあるとして、実行委と県にホームページからの削除を検討するように求めた。
実行委などでは、その指導に従って、イラストを削除し、ちらしなども回収した。
このニュースが10月2日に流れると、ネット上では、イラスト掲載について、「さすがにダメだろw」といった声が相次いだ。一部で、「警察が何故介入したのか?」との疑問もあったが、わいせつ物に当たるのではないかとみる向きは多い。
主催者側は、なぜこのようなイラストを載せたのだろうか。
実行委事務局をしているイベント運営会社「ヨナゴフィルム」では、その理由について、次のように説明した。
「妖怪秘宝館」のメインビジュアル
「確かに、イラストには女性の性器も描かれていますが、全体的に女性が黒くシルエット状になっており、周りの妖怪で隠してもいます。ちらしなどに印刷したものは、かなり黒が濃くなっており、サイズも縮小されていますので、性器などは見えないと思っていました。それで、エロスもテーマになっている『妖怪秘宝館』のメインビジュアルとして使用することにしました」
ところが、ホームページのコーナートップに載せたイラストは、モニターの光の具合で黒が薄くなって、性器などが見やすくなっていたという。
「結果として、こちらのモニターチェックが足りませんでした。配慮が足りなかったと考えています」
鳥取県警の生活環境課長は、取材に対し、「即座にわいせつ画像と判断してはいません」としたが、県の青少年健全育成条例に抵触する恐れはあるとした。「性器を露骨に見せていないと判断されても、陰毛やお尻といった描写が卑猥だとみなされることもあります」と言っている。
イベントでは、18歳未満は立ち入り禁止のスペースも設けてあるが、もしイラストそのものがわいせつ物にも当たる恐れがあるならば、イラストはこうしたスペースでも展示できないことにもなる。
この点について、実行委事務局では、メインビジュアルとの位置づけから、イラストはスペースにも最初から展示していないと説明した。