グリー業績急降下で「200人削減」 踏みとどまるDeNAとの差はどこに?

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進出から2年で中国拠点を閉鎖

   グリーも、欧米事業は決して悪くないようだ。2013年4~6月期の決算資料では、DeNA同様にコイン消費額が伸び、具体的な金額は記載されていないが海外市場全体で前期比3割以上の成長を達成したとなっている。けん引役は北米市場で5月には単月黒字を実現した、という点はDeNAの状況と似ている。

   一方で「海外事業全体は拠点を再編」という記述もある。実は1~3月期の決算発表で、グリーは「中国拠点の閉鎖」を発表していたのだ。「ダイヤモンドオンライン」2013年6月12日付の記事では、撤退理由を「中国市場に詳しい関係者」が「グリーは単純に中国での競争に勝てなかっただけ」と解説した。「グリーの強みであるカードゲームは中国で腐るほどサービスインしており、ユーザーがカードゲームに対して飽きてきている傾向があります。よほどの人気コンテンツでない限り見向きもされません」とバッサリだ。

   中国市場はDeNAにとっても決して楽ではない。5月28日付の「ダイヤモンドオンライン」には、DeNAチャイナ副総裁の任宜氏が、2006年に設立後「これまでは、当初の思惑通りには進んでこなかったということはあるかもしれません」と認めている。しかし「数年前にスマホゲームに特化してからは順調に進んでいます」と自信をのぞかせた。わずか2年で中国から撤退を決めたグリーと、「収支トントン」が見えてきたDeNAとの差が出てきたと言えよう。

   現在、グリーの海外拠点は米サンフランシスコ、カナダ・バンクーバー、韓国・ソウルの3か所だ。7月10日付の日本経済新聞によると、ほかにロンドンやドバイなど4か所に営業拠点があるが、これらも閉鎖予定だという。

   縮小傾向は国内にも見られる。10月2日には約200人の「希望退職者募集」を発表、また大阪の開発拠点閉鎖も決めた。「イケイケ」で急成長を遂げた2012年から一転、この1年は守りを強いられている。スリム化した体制で、本業のゲームで再びヒット作を生み出せるか、グリーの苦悩はしばらく続きそうだ。

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