グリー業績急降下で「200人削減」 踏みとどまるDeNAとの差はどこに?

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   ソーシャルゲーム大手のグリーが、業績低迷が原因で希望退職者の募集に踏み切った。上場以来初の最終赤字計上に拠点の閉鎖など、好材料が出てこない。

   最大のライバルであるディー・エヌ・エー(DeNA)も、ゲーム事業で爆発的なヒットが生まれず苦戦中なのはグリーと同じだが、直近の決算ではむしろ増収となり、踏ん張っている。両社の違いは、どこにあるのか。

仮想通貨の消費額が海外で大幅増

グリー・田中良和社長に「V字回復」の妙案はあるか(2011年11月撮影)
グリー・田中良和社長に「V字回復」の妙案はあるか(2011年11月撮影)

   グリーにとって2012年前半は「わが世の春」だった。同年1~3月期の決算では、売上高461億8900万円、営業利益245億4900万円、純利益134億4800億円となっている。いずれも前年同期比で3倍増だ。これに対して、2013年8月14日に発表された直近の2013年4~6月期の業績を見ると、売上高370億300万円、営業利益77億9400万円と急降下し、3億1100万円の純損失を計上した。四半期ベースで赤字となったのは、2008年の上場以来初めてだ。

   飛ぶ鳥を落とす勢いだったソーシャルゲーム業界を揺さぶった「コンプガチャ」問題の影響は、大きかっただろう。人気作を出し続けてきたゲームは、スマートフォン対応で出遅れた。その間にガンホー・オンライン・エンターテイメントの「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」が空前の大ヒットとなり、主役を奪われた感がある。環境の変化が激しいのは事実だが、同じ影響は業界トップを争ってきたDeNAにも及んでいるはずだ。

   ただDeNAのこの1年の業績を見てみると、グリーほど傷んでいない。8月8日発表の2013年4~6月期決算は、売上高にあたる売上収益が522億円で前年同期比10%増、営業利益170億円で同8%減だった。純利益95億円も確保している。若干の減益とはなったが、極端な落ち込みとは言えない。売上高に至ってはむしろ増えている。

   カギを握るのが、海外事業だ。ゲーム内で使用する仮想通貨「モバコイン」の消費額は、国内では伸び悩んだが海外では大幅に伸びている。直近の四半期では8000万ドル(約78億7700万円)で、前年同期比で約8倍増の勢いだ。主力のゲーム事業「Mobage」では、国内の営業利益が下がっているのに対して、海外では赤字を急速に解消しており、欧米向けサービス「Mobage West」は6月に単月黒字を達成、中国での「Mobage China」も「収支均衡を目指せるところまできた」。海外事業が、徐々に収益を見込める段階に育ってきたようだ。

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