産経新聞の投書が官房長官を動かす 官邸会見が「下向き」から「国民目線」に?

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   首相官邸の記者会見室の記者席の配置が、2013年10月2日午後の官房長官会見から少しだけ変更された。「長官の目線が下を向きっぱなし」という新聞の投稿欄を読んだのをきっかけに、記者席を1メートルほど後ろに下げたためだ。記者席とのスペースが広がる分、目線が少しは上に向くという訳だ。菅義偉官房長官は「会見は国民目線で」と意気込む。

産経新聞投稿「その先には国民や世界中の人がいるということを忘れないで」

レイアウト変更前の官邸会見場。記者席の最前列が撤去された
レイアウト変更前の官邸会見場。記者席の最前列が撤去された

   きっかけは2013年10月1日の産経新聞の投稿欄「談話室」に、57歳の開業医の女性から寄せられた投稿。投稿では、テレビで見る菅長官の会見を

「常々気になっていることがある。長官の目線が下を向きっぱなしなのだ。原稿を読んでいるわけではなく、質問した記者に向かって丁寧に説明しているためで、謙虚な人格の表れなのだろうと思う」

と指摘した上で、

「会見に注目しているのは決して記者だけではない。その先には国民や世界中の人がいるということを忘れないでほしい」

と目線が上に向くような工夫を求めた。

   会見室には、記者席の後方の一段高い場所にカメラ席が設けられている。カメラ席は2段構造で、1段目にスチールカメラ、2段目にムービーカメラが陣取る。

   首相や官房長官が使う演台は記者席よりも高い位置にある上、記者は座ったままで質問するため、答弁は記者を見下ろす形で行うことになる。半面、カメラが設置されている台は演台よりも高い位置にあるので、この投稿が指摘しているように、なかなか「カメラ目線」にはなりにくい。菅長官は、投稿について

「ご指摘はある意味ではもっともだなぁ、と思いまして」

と話し、改善の必要性を感じている様子。投稿では、(1)会見場を階段状にする(2)長官のお立ち台を撤去して記者が起立して質問する、といった解決策も提案されたが、実際に行われたのは記者席の最前列を撤去する、という方法だった。

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