俳優の武田鉄矢さん(64)がプロデュースする女性アイドルグループ「赤マルダッシュ☆」が2013年10月2日にお披露目された。
多くのアイドルがしのぎを削り、「アイドル戦国時代」とも言われる昨今だが、「赤マルダッシュ☆」には他のアイドルには見られない特徴がある。それは、「恋愛は自由」ということだ。
「歌って踊れる、そして食べられる『食べドル』」
「赤マルダッシュ☆」は武田さんがCMキャラクターを務めるカップめん「赤いきつねと緑のたぬき」(東洋水産)の企画の一環として結成された。
武田さんが「歌って踊れる、そして食べられる『食べドル』を自分で作ってみたい」との思いでプロデューサーとして携わり、全員分のオーディション映像を見た上、スタッフが撮影した待合室の様子までチェックしたという気合の入れようだ。
厳しいオーディションを勝ち上がったのは、「赤いきつね」担当でリーダーの北澤鞠佳さん(17)、「緑のたぬき」担当の玉城茉里さん(19)、「黒い豚カレーうどん」担当の川村彩花さん(15)、「白い力もちうどん」担当の大西菜友さん(15)の4人だ。「仲の良さはテレビを通しても伝わる」(武田さん)として、全員同じ事務所のオスカープロモーションから選出した。
早くも文化放送で「赤マルダッシュ☆本気、ダシます。」という冠ラジオ番組が放送されているほか、ももいろクローバーZへの楽曲提供などで知られるヒャダインさんが作詞作曲、パパイヤ鈴木さんが振り付けを担当した「赤マル 急上昇ダッシュ!!!!」というオリジナル曲も発表している。
10月2日のお披露目会見では、司会者から武田さんに「恋愛禁止など、アイドルならではのルールなどはあるのか?」との質問があった。
武田さんは、「いやー、作りたくはないね。好きな男の子がいるという状態で歌を歌うって決して悪いことじゃないと思うので、恋愛は自由です!」と、何と「恋愛自由アイドル」を宣言した。
さらに「隠さないことですよ。隠すと何でもみっともないんだよ!応援してくれる人が一番よく知ってると思うんだけど、隠すっていうことがその恋を汚く見せるんだよな。恋っていうのは人間を鍛える最高のレッスンですからね」と、「ファンにも恋愛中の姿を見せるべき」との考えを示し、「心が感じたことを全部歌に放り込めるようなアイドルになってほしいです」と期待した。
よしりん「セックスしてステージに立つなんてあり得ない!」
女性アイドルにおいて「暗黙の了解」のようになっている「恋愛禁止」だが、AKB48が「ルール」として打ち立てたことで広く注目を集めるようになった。グループ在籍中の恋愛が発覚したメンバーの多くは何らかの処分を受け、13年1月には峯岸みなみさんが「お泊まり」を報じられて丸刈りにしたことが大きな波紋を呼んだ。現在は「恋愛禁止なんてない」ということになっている。
また、「赤マルダッシュ☆」のメンバーが在籍するオスカープロでも、実はAKBより前から「20歳過ぎてからデビューした場合はデビュー後5年、10代でデビューした場合は20歳過ぎてから5年、つまり25歳まで恋愛禁止」というルールを導入している。
AKBファンで知られる漫画家の小林よしのりさんは、著書「AKB48論」で「セックスしてステージに立つアイドルなんかあり得ない!」「マジで夢を目指す者は『断ち物』をせねばならない!」と、アイドルの「恋愛禁止」に全面賛成の立場を示している。
禁止が明言されていないアイドルでも恋愛が発覚すれば、熱狂的な愛情が憎悪に変わり、強烈な「アンチ」と化してしまうファンもいる。
こうした状況下での「恋愛自由アイドル」誕生だが、アイドルファンに受け入れられるのだろうか。
ハロー!プロジェクトを中心に応援している20代男性に聞いたところ、「アイドルの恋愛なんて論外」と強い口調で返された。「清純」を売りにするアイドルが陰で恋愛していることはファンに対する「裏切り」で、「するなら絶対バレないようにしてほしい。バレたら即刻やめるべき」と断言していた。ただ「最初から彼氏がいると言って活動しているような独自路線のアイドルならいいけど…」とも話していた。
ネット上では、「アイドル的には恋愛NGの方がいいと思うけどなぁ」「アイドルグループは恋愛禁止と言う事にしておいてもらった方がアイドル当人にとってもありがたいだろうと思う」「食べられるアイドルが恋愛自由とか、性の解放区すぎるだろ」「汚れきったアイドル興味あるぞ!」などさまざまな意見が書き込まれている。「恋愛自由」の是非はともかく、話題性は十分のようだ。