産経新聞社の駆け出し記者の失敗エピソードが話題になっている。「顔出しNG」という事前注意を忘れ、イベントに参加した児童らの写真を記事に掲載し、怒られてしまったというのだ。
若手記者とはいえ、インターネット上には「新聞記者ってまだこんな意識レベルなんだな…」「そもそも社内チェックはなかったの?」と容赦ない批判コメントが溢れている。行政や保育の現場でも神経を尖らせている話だけにマスコミに向けられる目は厳しい。
「こんなこともわかってない人が記者やってるんだ…」
記事は2013年10月1日、産経westの「若手記者が行く」コーナーに掲載された。記事によると、この産経記者は記者生活1か月のある日、大阪市中央区役所が開いた苗植えイベントを取材した。子供たちのいい写真を撮ろうと意気込んでいたのだが、区の担当者から「写真は児童の顔が特定されない範囲」「子供たちのコメントも匿名で」とお願いされたという。
しかし仕事に追われる中でお願いを「うっかり」忘れ、表情もはっきり分かる写真を掲載してしまった。担当者からは抗議の電話が寄せられ、小学校へ謝罪に行くことに。上司から「写っている子が仮に父親の家庭内暴力から逃れていたとしたら、どうする?」と投げかけられ、「楽しいイベントの裏にも、さまざまな事情を抱えて生活している人がいるかもしれない」と悟る。写されて困る理由を考え直すと同時に、記者としての責任の重さ、伝えることの難しさを学んだ、という内容だ。
「若手記者が行く」は、入社まもない記者たちが新米ならではの視点で失敗談や奮闘ぶりを綴るコーナーで、今回失敗を告白した記者もようやく半年を迎えたばかり。通常ならほほえましいエピソードで終わるのだろうが、児童ポルノ問題や個人情報、肖像権問題などが声高に叫ばれるご時勢だけに、インターネット上では批判が集中している。「いくら新人記者だからって、報道に携わる人間がこんな意識じゃあね。。。」「こんなこともわかってない人が記者やってるんだ…」「今まで掲載された写真で、その辺本当にOKだったのは何枚だったのか・・・」「全体的に言い訳臭くて反省の意思が全く見られない」と記者本人を非難する声に加え、「新人教育はやっていないのかな」「デスクがちゃんとチェックしてないってことでもある」といった意見も多数あがった。