安倍首相が「脱原発」に転向する日
進次郎議員は月1回被災地の訪問を続けており、現地の人々からも人気が高い。テレビの取材でも、住民たちからは「進次郎政務官」歓迎の声が相次いだ。確かに有馬氏の言うとおり、原発について特別な政策を打ち出したわけでもないにもかかわらず、「進次郎人事」で政権への期待は着実に高まっている。仮に原発問題が前進しなくとも、進次郎議員には傷が付かない。
しかし天木氏が言うように、進次郎議員と小泉元首相が父子タッグで脱原発を訴え、政権批判に走る危険はないのだろうか。有馬氏は、それも計算のうちだと見る。
「もちろん安倍首相からすれば、小泉元首相の脱原発主張は『迷惑』ではある。ですが仮に、原発問題が悪化してにっちもさっちも行かなくなった場合、進次郎議員のような発信力のある人物が政権内で『脱原発』を唱えていれば、安倍首相としても政策転換の舵を切りやすい。むしろ政権にとっては、選択肢が増えたということだと思います」
いわば小泉父子は、安倍政権にとって「保険」というわけだ。
一方の進次郎議員にとっては、政治家としての今後を占う試金石ともなる。「週刊朝日」9月27日号は2020年の東京五輪までに、進次郎議員が「戦後最年少」首相になると予測しているが、実現するかどうかは「復興」をどれだけ前進させられるかにかかりそうだ。