専門子会社設立、地元博多にも進出
同ブランドを展開する「リゴレ」(東京都渋谷区)の広報担当者に話を聞いてみると、移転情報は8月19日にニュース欄に掲載したが、移転後しばらくして情報掲載は終了したそうだ。心斎橋店閉店の理由については、次のように語った。
「大阪では2店舗展開でスタートしましたが、後々、上層部の経営方針により同じエリアに2店舗は必要ないということになったのです。売れ行きが伸び悩んでいたわけではなく、全国展開に向けた前向きな意味での統合です」
事実、8月には篠田さんの出身地でもある福岡「博多阪急」に新店舗がオープンしたばかりだ。さらに同社は、親会社の「ダブルウェア」から今年3月に別会社化された新会社で、「ricori」の当初の予測を上回る反響を受けて設立されたのだという。
篠田さんは自身のブランドを持つことが長年の夢だったといい、「名前だけを貸すようなやり方はしたくない」と、AKB48時代の多忙な日々もスケジュールの合間を縫いながらricoriの洋服作りの全工程に関わっていた。卒業後も精力的にブランド事業に携わり、夏にはファンからの声にこたえてWEB限定で一部メンズアイテムの販売もスタート。最近のイベントでは「ファッション以外にも挑戦したい」と語っていたものの、現在も変わらず服作りに熱を入れているそうだ。
篠田さんに限らず、芸能人がブランドに携わる例はこれまでにも数々あるが、明暗が分かれている。たとえば、モデルの梨花さんがクリエイティブ・ディレクターを務めるライフスタイルショップ「Maison de Reefur(メゾン ド リーファー)」は、週刊誌「女性自身」が2013年7月に「1か月に1億円売り上げている」と関係者の話を伝えた。また、メンズブランド「Anti minss(アンティミンス)」を手がける、元AKB48で社長の川崎希さんはテレビ出演した際、「年商は6000万円くらい」と話していた。木下優樹菜さんがプロデュースするファッションブランドや神田うのさんのウェディングドレスブランドも好調のようだ。
しかし、佐々木希さんがデザイナーを務めていた「Cotton Cloud」は昨年にブランド休止、今年7月には若槻千夏さんが自身の創業ブランド「WC」の退任を発表するなど思わしくないケースも目立つ。「ricori」はブランド設立からまだ1年とあり、行く末にファンからの注目が集まっている。