配送は「自前」の時代になる?
しかし、佐川急便が手を引いたからといって、ヤマトホールディングスが「安泰」というわけではないようだ。
その理由の一つは、単純に仕事量が増えること。ネット通販の利用は右肩上がり。なかでもアマゾンの利用は急増している。加えて、佐川急便の分まで引き受けて荷物が増え続けるとなると、多くの正社員で作業を賄うヤマトの負担はかなり膨らむ。
「個人向けの配達が多い郊外では、アマゾンの配送や荷動きのチェックなどの作業が増えて、仕事に追われる」との声もある。
もう一つは、ネット通販では産地から直接出荷・販売している業者やメーカーの通販を囲い込む動き、また、たとえばセブンミールやカクヤスなどのように自前配送を実現しているところが増えていることだ。
さらに、アマゾンや楽天も自ら物流に参入する動きがあるとの見方がある。首都圏のほか、地方などにも物流拠点を建設。自らが配送業者として、あるいは配送を委託するにも、全国にネットワークを有するヤマトよりも安い単価で運んでくれる地場の中小配送業者に委託してコストダウンを図るというのだ。