ソフトバンクモバイルは2013年9月30日、13年冬~14年春商戦向けの新商品発表会を開き、多機能携帯電話(スマートフォン)4機種と従来型携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)2機種を発売すると発表した。
ただ、孫正義社長がプレゼンテーションで多く時間を割いたのは、端末よりもネットワークの品質について。端末で他者と差別化するのは、もはや困難だとみているようだ。
端末の説明が10分強に対してネットワークの話は23分以上
孫社長は発表会冒頭、NTTドコモの「ツートップ戦略」を例に、
「商品を絞り込んで世に出していく時代になった」
と多くの機種をリリースして競争する時代は終わったとの見方を示した上で、
「時代は、2~30種類という端末を競い合って数多く出すというよりは、ネットワークの優劣を競争していく時代になったと言っても過言ではない」
と述べた。この方針は孫社長のプレゼンテーションの時間配分にも反映され、ネットワークの品質に関する説明には23分以上を費やしたのに対して、スマホ4機種にかけた時間は約7分、ガラケーに至っては4分にとどまった。
ネットワークの品質で孫社長が終始強調したのが「つながりやすさ」。孫社長の説明によると、全国JR・私鉄乗降客数上位1000駅で、携帯電話3社のiPhone5cを使って接続テストを行ったところ、837駅でソフトバンクが最もつながりやすかったという。
MMD研究所やカカクコムといった第3者による調査でも同様の結果が出ていることを紹介しながら、孫社長は
「ソフトバンクがウソを言っている、という人は自ら調べてみて欲しい」
と主張した。
シャープ製新機種は画面の「ふち」の部分を小さくしたのが特徴
今回発表されたスマホは4機種ともグーグル社のOS「アンドロイド」を搭載し、強化型のデータ通信「ハイブリッド4G LTE」に対応している。特にAQUOS PHONE Xx(ダブルエックス) 302SH(シャープ製)は、画面の「ふち」の部分を小さくし、世界で最も画面の比率が大きいのが特徴。だが、「主役」とはほど遠い様子で、孫社長の口からは「iPhone」という言葉が多数出た。NTTドコモがiPhone販売に参入したことについては、
「(ソフトバンクがつながりにくいとされた)4年前なら壊滅的な打撃を受けていた」
としながらも、その後のネットワークの改善を理由に、
「我々のネットワークが不満でドコモさんに流れていくというリスクは、ほとんどなくなった」
と分析。影響は限定的だとみている。