街中が白霧、「PM2.5」最悪レベル それでも北京では大ニュースになっていない

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高濃度のPM2.5の「帯」が南下して九州北部にかかる恐れ

   北京に拠点を置く民間組織「aqicn.info」は、インターネットで中国の主要都市の大気汚染指数(AQI)を公表している。在北京米国大使館の大気汚染観測チームや、北京環境保護観測センターといった団体からデータを入手し、米観光保護庁が定めた「問題なし」「不健全」「危険」といった6段階のカテゴリーを使って、中国主要都市の「汚染度」を毎日表示している。

   9月30日16時時点の北京のAQIは「165」で、6段階中4番目の「不健全」だ。前日は「300」に達して最も高いレベルに達していたのと比べると多少は改善されているが、好ましい状態ではない。

   他の都市をみると、四川省成都は「163」、天津市は「161」と北京と同じレベルの高い値だ。河北省石家荘は「460」と最も悪い「危険」カテゴリーに、また意外にも広東省深センで「160」と高い値を記録していた。中国当局の公式発表ではなく、また数値も1日の中で大きく変わる場合もあるが、北京以外にも大気汚染が広まりつつあるのが分かる。

   中国では10月1日が建国記念日「国慶節」で、大型連休を迎える。工場などが操業停止となるのでエネルギー消費は減るが、連休を利用して北京を訪れる観光客は増える見込みだ。当局が「外出を控えるように」と指示しても、簡単には制御できないだろう。

   日本への影響も心配だ。環境省の大気汚染物質広域監視システム「そらまめ君」を見ると、9月30日16時、福岡県田川市でPM2.5が1立法メートルあたり74マイクログラムと比較的高い数値を観測した。一時的なもので必ずしも中国の影響を受けたとは言い切れないが、1月には九州や西日本の観測所で通常よりも大幅に高い値が計測されている。日本気象協会の「PM2.5分布予測」によれば、9月30日18時の予測では、少量が北陸から近畿地方にかかる程度だが、現在北京周辺にある高濃度の「帯」が徐々に南下し、10月3日には九州北部にかかるのではとみられる。

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