岐阜県可児市の小中学校で出された給食のパンに、小バエが入っていた。
学校側は「健康に影響はない」として、付着箇所を取り除いて食べるよう指導したが、ハエが混入したパンの数は約100個にものぼる。いったいどこからハエが侵入し、パンの中に入りこんだのか。
「結果論なんですけど安全上問題なかったかなと思う」
新聞報道などによると、ハエ入りのパンが発見されたのは、蘇南中学校と東明小学校の2校。蘇南中では2013年9月2日、丸パン4個にハエが混入しているのを生徒が見つけた。同様に9日、東明小のクロワッサン約100個にハエが入っていた。主に表面に付着し、どちらもパン1個あたり1~4匹の死骸が確認された。
ハエが見つかった際、学校が可児市学校給食センターに連絡したが、安全上問題ないとして、付着した部分を取り除いて食べるよう伝えられた。学校は指導に従い「ハエを取り除いて食べる」旨を校内放送で連絡した。一部生徒はパンを食べたが、健康被害は今のところないという。
給食センター所長の渡辺哲雄氏はフジテレビ系「とくダネ!」の取材に対し、
「結果論なんですけど安全上問題なかったかなと思う。実際に捨てることなく取り除いて食べていただいたということで、今回の判断は正しかった」
と答えている。
パンに入っていたハエは、クロバネキノコバエという種類だった。体長は1~2ミリ程度で、黒や暗褐色をしている。人体には無害だが光に誘われ室内に入ってくるなどの理由で、不快害虫と呼ばれる。高温多湿の夏に大量発生することがあり、可児市周辺でも増えていたという。ここ数年、可児市に近い多治見市のほか、愛知県岡崎市、豊田市などでも大量発生が相次いだ。
各自治体はコバエ大量発生の原因究明に努め、豊田市では愛知県ペストコントロール協会による「不快動物(コバエ類)の発生条項調査報告書」をウェブ上に公開している。クロバネキノコバエは一般に、朽木の腐った部分や土壌の中の腐食物を食べていると考えられ、畑や植木鉢から発生する可能性もあるそうだ。