モンゴルが北朝鮮に食糧送る 支援要請に応じ、コメ、肉など

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   食糧難に悩まされ続ける北朝鮮に対して、古くからの友好国として知られるモンゴルが食糧支援を行っていたことが明らかになった。

   北朝鮮ウォッチャーとして知られる宮塚利雄・山梨学院大学教授が、北朝鮮がモンゴルに支援要請したことをJ-CASTニュースの記事で知り、モンゴル訪問時の様子を新聞のコラムで明かした。

北朝鮮大使、着任直後に「ひどい食糧不足に直面するかも知れない」

   モンゴルに着任したばかりの北朝鮮のホン・ギュ大使は2013年4月16日に行われた信任状捧呈式の場で、ツァヒアギーン・エルベグドルジ大統領に対し、

「北朝鮮は、ひどい食糧不足に直面するかも知れない。モンゴルには、北朝鮮への食糧支援の可能性を検討するようにお願いしたい」

と異例の支援要請を行った。この様子をJ-CASTニュースは4月23日、

『ひどい食糧不足に直面するかも』 北朝鮮大使がモンゴルに支援要請

との見出しで報じた。

   9月26日付けの産経新聞に掲載されたコラム「直球&曲玉」によると、宮塚氏は「(失礼ながらさほど豊かな国とは見えない)モンゴルにまで、食糧支援を要請するとは私には思えない」という理由で、事実関係を確認しにモンゴルを訪問したという。その結果、7月に食糧支援の責任者として北朝鮮に行ってきたという人物と面会に成功。その人物は、

「モンゴルや北朝鮮に、米2000トンと肉10トンを援助した。自分はその責任者として平壌に行ってきたよ」
「援助物資よりも、運送費の方が高かったんじゃないかな」

などと話したという。

9月には小麦粉1850トン送る

   それ以外にも食糧援助は行われているようだ。「インフォモンゴリア」など複数のモンゴルのニュースサイトによると、9月19日にモンゴル外務省が小麦粉1850トンを人道支援として北朝鮮に送ったと発表している。支援物資は農村地域、特に水害の被災地に向けて送られ、開城市の児童養護施設や幼稚園、平壌産院、モンゴル朝鮮友好協会などが受け取ったという。

   米政府系ラジオ局の自由アジア放送(RFA)が報じたところによると、国連世界食糧計画(WFP)が北朝鮮に支援する食糧は、13年の5月と6月が3000トン、7月が2900トン、8月が2050トンと減少を続けている。そう考えると、モンゴルが支援している量は、ある程度まとまった量だとの見方もできる。

   米中央情報局(CIA)のワールド・ファクトブックによると、モンゴルの1人あたりの国内総生産(GDP)は4900ドル(11年推計値)なのに対して北朝鮮は1800ドル(同)。3倍近い開きがある。

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