「球史に残る」熱投と評価も
難関は続く。4番浅村は今季、田中に強い。この試合では100打点目を記録した。
初球は外角やや高めにストレート。浅村は待ってましたとばかりに振り回したが当たらない。2球目は外の低めに外れるボール。3球目のストレートは真ん中高めに来たが浅村は首をすくめるようにして見送りストライク。4球目が外に外れてカウント2-2からの5球目。外角低めに滑るように走ってきたストレートを空振り。栗山とともに1球もバットに当たらなかった。田中はマウンドで両手を天に突き上げた。
田中は試合後のインタビューで、狙われやすいストレートを続けたことについて「引いたら負けだと思ったから」と話した。田中は、無走者→得点圏に走者→満塁の順で被打率が低い。それは走者が出るとギアを上げるため。「ギアは自分で上げたし、自然と上がる部分もあった。その両方」と9回の登板を振り返った。この日はギアチェンジで、コントロールの精度をトップに上げた。
球史では、1979年の日本シリーズで広島カープの江夏豊投手が見せた熱投「江夏21球」が有名だ。ネット上では、「マー君の8球」も球史に残る、といった指摘も寄せられている。