優勝決めた「マー君の8球」は球史に残る? 楽天・田中「全部ストレート」に込めた意地

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   楽天がパ・リーグ優勝を決めた2013年9月26日の西武戦(西武ドーム)、4-3と楽天1点リードの9回、楽天・星野監督は"胴上げ投手"として、エース田中をマウンドに送った。しかし一打サヨナラのピンチを招き、西武の主軸を迎える。

   球場で、テレビの前でファンが手に汗しながら見守るなか、田中は開き直ったように絶妙のコースに150キロ超のストレートを連投。3、4番をまったく寄せつけず三振に斬り捨てる「マー君の8球」だった。ネット上でも「球史に残る」と感動を呼んでいる。

星野監督のごほうび"胴上げ投手"

   星野監督は、前もって胴上げ投手に指名していた通り9回の守りから田中をコール。これに合わせてNHKは放送中のニュースウオッチ9で中継を始め、わずか1点のリードながら、球場でも茶の間でも、楽天の初優勝への機運は最高潮に達していた。

   雰囲気の異様さからか、これまでの先発の時より、いくぶんか緊張しているように見える田中。西武先頭の鬼崎に内野安打、続くヘルマンに四球を与え逆転の走者まで許してしまう。さらに片岡の犠打で1死二三塁とされ、クリーンアップを迎える絶体絶命のピンチに立たされた。

   だが、これが「神の子」ともいわれる理由か、3番栗山には別人のような投球を見せる。初球、外角低めにストレート。審判の手が上がり球場はどよめく。NHKの中継の解説者、与田剛さんもほーっと声をあげた。2球目と3球目も同じコースに。栗山はいずれも見逃して三振に打ち取られた。夜のテレビのスポーツニュースで評論家らは「あのコースはどんな打者でも手が出ない」と口をそろえた。

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