朝日「論評することは差し控えます」
一方で、旭日旗に似たデザインは、日本でいくつもあるだけに、広く影響が出るのではないかとの声は根強い。
ネット上で特に話題になっているのが、朝日新聞社の社旗だ。「旗掲げたら、どうなるんだろ」「朝日新聞どうすんだ?」といった声が多いのだ。
朝日の広報部によると、もともとの社章は、「水平線上に半体をあらわして光を放つ赤い旭日の中に『朝』の字を白抜きにした図柄」だという。それで旭日旗に酷似しているわけだが、広報部では、「おたずねの件に限らず、諸外国の個々の立法過程について、当社の紙面などで報じる以外に論評することは差し控えます」とだけコメントした。
旭日旗法案が影響するかについては、置かれた状況によっても違うようだ。
艦船に旭日旗を掲げている海上自衛隊では、2012年に日韓親善のイベントで韓国に入港したことがあるとして、「法律が通れば、もしかしたら今後検討が必要かもしれない」(広報室)と明かした。船上は、基本的に治外法権になるとしながらも、韓国の国内法なら尊重しないといけない可能性があるからだという。
また、日本の漁船は、旭日旗を元にしたようなデザインの大漁旗を掲げているが、水産庁の漁業調整課では、その影響はあまりないとの見通しを示した。
「漁業協定水域の韓国・済州島周辺で漁をすることはありますが、漁船が韓国に入港することはまずありません。大漁旗も日本に帰港するときだけ掲げているはずです。交流行事でも、大漁旗を韓国で掲げるケースは聞いたことがありませんね」
旭日旗に似たロゴを「あけぼの食品」に使っているマルハニチロホールディングスでは、大きな影響はないとみて、静観していることを明らかにした。
「問屋を通じて間接的に韓国に出回っていることはあるかもしれませんが、直接輸出はしていません。問題が起きるとは考えておらず、ロゴを変えるといった議論はしていないですね」