「不当降格」訴訟のキャリア官僚 推定年収「800万円」は民間より恵まれていないか

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事実上の「窓際族」「問題職員の隔離」?

   しかし男性はこの制度を、国家公務員法が制限する「降格人事」と主張する。男性は自分には降格されるような落ち度はないとし、人事院にも審査を求めたが門前払いにされたという。朝日新聞の取材に対しても「このような制度を乱用されると上司にモノが言えなくなる」と憤りを隠さない。

   近年では民間企業での「追い出し部屋」が相次いで問題化していることもあり、男性への同情的な声も目立つ。一方で人事院によると、諸手当を含む専門スタッフ職(平均年齢55.1歳)の平均給与月額は約54万円だ。これから見ると、2割減ったといっても、年収はおよそ800万円に達すると推測される。キャリアなのでもう少し高いかもしれない。

   対して50~60歳前後の従業員を管理職から外す「役職定年」を設けている民間企業では、約8割が給料の「75~99%カット」を実施しており、「50~74%」まで下げる例も2割に及ぶとされる(人事院調べ)。

   専門スタッフ職制度に関しては、2010年、当時の菅内閣がこの枠の拡大を目指している。この際には自民党などから、「高給の窓際族」(小泉進次郎衆院議員)といった批判があり、結局断念に見舞われた。

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