お笑いコンビ「しずる」の村上純さん(32)がラーメン二郎のうんちくを本に書いたところ、東京・三田本店の店主が激怒したとの情報がネット掲示板に書き込まれ、物議を醸している。所属先の吉本興業では、こうしたトラブルがあったことを取材に認め、出版社が交渉していることを明らかにした。
トラブルになっているのは、村上純さんらが光文社新書から2013年9月18日に出した「人生で大切なことはラーメン二郎に学んだ」という本だ。
発売日に出版のあいさつに行ったが…
ネット掲示板への情報の書き込みは、この日夕にあった。21日ごろになって、2ちゃんねるでも紹介され、ネット上でたちまち話題になった。
書き込みによると、しずるの純さんらは、発売日の18日朝、東京都港区のラーメン二郎三田本店に出版のあいさつに訪れた。開店前だったが、店主は、「出版社が勝手に」などと怒り出し、行列客にも店内からその怒鳴り声が聞こえるほどだった。
それでも、店主の怒りは収まらなかったらしい。開店後も店の裏口で光文社の担当者らしき人と言い合いになっていたという。トラブルの原因は、出版することを事前に店側に伝えていなかったためらしいとし、店主は「担当弁護士に話を通せ」と立腹していたとした。ようやく店内に戻ってきたものの、「怒り覚めあらぬ感じだった」とその様子を書き込んでいる。
純さんはこの日、ツイッターで「朝からある聖地へ」とつぶやいた後、「身に染みる思い。日々、勉強です」とツイートしていた。ネット上では、これはラーメン二郎の店主に怒られたことを受けているのではないか、との見方が広がっている。
純さんの本では、「二郎とは何か」はまだ分からないとしながらも、三田本店の開店から都内などの38店がのれん分けするまでの経緯などもつづっている。その一方で、ラーメン二郎側がメディア露出を避けていると紹介し、書くことを二郎側は望んでいないかもしれないとも漏らしている。
吉本興業はトラブル認め、光文社が交渉中と明かす
とすると、ラーメン二郎側は、書かれることをそもそも望んでいなかったため、「事後報告」に怒ったということなのか。それとも、もっと別の理由があるのだろうか。
しずる村上純さん所属のよしもとクリエイティブ・エージェンシーでは、取材に対し、ネット掲示板に書き込まれたトラブルの事実はあったと認めた。二郎側は弁護士を立てていることも認めた。光文社が本の出版前に二郎側に許諾を取り付けるはずだったのに、何らかの理由でそれができていなかったというのだ。
ただ、光文社が権利関係を担当しており、トラブルの詳細な内容については分からないとしている。
光文社新書の編集長は、取材に対し、純さんや担当編集者らが発売当日の朝に、ラーメン二郎三田本店へ本を持ってあいさつに行ったことは認めた。しかし、店主が怒っていたかなどについては、「先方もあることですので、コメントできません」と答えるに留まった。
ただ、本を出すことについては、事前に二郎側に話していたと説明した。今後については、「先方と話し合いになると思います。コミュニケーションを取りたいと考えています」と言っている。
一方、ラーメン二郎側は、三田本店に直接行って取材すると、「何も答えることはありません」とだけ話した。