開成合格して「日比谷」選ぶ例も 東大合格者急増「名門都立」が完全復活

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   「名門都立高校」の人気が復活している。2011年度に22人の東大現役合格者を輩出した日比谷高校をはじめ、各校がじわじわと実績を伸ばしている。進学指導重点校など都の改革が花咲いた今、「難関大学」を目指す王道ルートは名門私立だけではないようだ。

重点校の「難関国立」合格者、8年で1.5倍に

かつての人気を取り戻した名門都立高(画像はイメージ)
かつての人気を取り戻した名門都立高(画像はイメージ)

   1967年に始まった「学校群制度」で凋落した名門都立だが、「進学指導重点校」の導入が回復の大きなきっかけとなった。石原慎太郎元都知事が「都立復権」をスローガンに推し進めた都立高校改革の一環で、01年に日比谷、西、戸山、八王子東の4校、03年に青山、立川、国立が指定された。対象校では教員公募制により指導力のある教員が集まるなど、組織的・計画的に進学対策が進められる。また、難易度の高い独自入試も導入されている。

   その成果から、93年度に東大合格者が1人まで落ち込んだ日比谷高校は、05年度に2桁まで復活した。毎年180人近く合格していたかつての栄光までは遠いものの、その快進撃は多数のメディアが報じた。飛躍したのは日比谷だけではない。重点校7校の難関国立大学(東京、一橋、東京工業、京都、国公立大学医学部医学科)現役合格者人数も、04年度には210人(現役101人)だったが、2012年度には1.5倍の342人(現役157人)まで増えているのだ。

「10年前とは全く違う」

   市進学院情報出版室の長谷川室長は、名門都立の現状について「実績も学校内の雰囲気も10年前とは全く違いますね」と話す。重点校指定だけでなく、人事考課制度により教員が成果で評価されるようになったことや、学校間で「あそこには負けたくない」という競争原理が働いていることも貢献していると指摘する。各校では企業さながらの「経営計画」を作成し、年度末には自己評価まで行っている。

   もちろん開成や筑波大学附属駒場などの名門国立・私立と比べると、難関大合格実績や偏差値には未だ開きがある。しかし、人気ぶりではひけを取らない。その理由について、長谷川氏は「公立の授業料無償制は、リーマン・ショック以降の不景気とも重なり、都立人気に拍車をかけたことは間違いないでしょう。説明会を増やすなど各校が広報活動を強化したこと、雑誌が度々『都立復活』を取り上げたことで、イメージも向上しています。」と説明した。生徒も通っている先輩たちから話を聞いて好印象を持つケースが多いという。インターネット上の掲示板でも、開成と日比谷に受かった上で、日比谷を選んだという卒業生・在校生の声も複数見つかる。

   なお最近では、白鴎高校や両国高校などの「都立中高一貫校」、新宿高校や国際高校など「進学指導特別推進校」の成長もめざましく、人気も好調だ。

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