老朽化したインフラの更新を進めるべきとの主張も
国立社会保障人口問題研究所によると、東京五輪が開催される2020年の日本の人口は現在よりも2.5%減少し、超高齢化社会が進む。2014年4月から消費税率引き上げを目指す安倍政権は、五輪開催に当たる2020年度に「基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化」という財政再建の目標を国際公約として掲げている。
しかし、自民党などは五輪に合わせ、首都高速道路など老朽化したインフラの更新を進めるべきと主張。五輪にかかわらず必要とはいえ、消費税率を10%まで引き上げても、景気低迷で税収が伸び悩めば、公共事業の財源は引き続き国債発行に頼らざるをえず、財政運営を懸念する声はエコノミストの間に多い。民間試算のように五輪をテコに景気拡大の好循環を作り出せるのか。アベノミクスの真価が問われるのはこれからだ。