TBS系の人気ドラマ「SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~」のエロパロディ番組が、衛星放送などの成人向けチャンネルで制作すると発表された。これに本家「SPEC」の公式ツイッターが「やめてください。訴えますよ」と激怒した。その後、パロディ番組のサイトやツイッターアカウントが消え、ネットでは実際に放送されるのかに注目が集まっている。
「特殊能力エロ事件を専門に扱う部署に配属」
「SPEC」は、戸田恵梨香さんと加瀬亮さんらが主演を務める刑事ドラマだ。警視庁公安部公安第五課・未詳事件特別対策室の特別捜査官が、SPECと呼ばれる特殊能力を持つ犯人を追い詰める。戸田さんが演じる女性刑事・当麻紗綾(とうま さや)はIQ201の頭脳を持ち、ボサボサ頭で赤いキャリーバッグを常に引きずり歩く変人で、同僚刑事・瀬文焚流(せぶみ たける)役の加瀬さんとのテンポの良い掛け合いをする。2010年10月から放送されヒットとなり、2012年4月には映画版「劇場版 SPEC~天~」も公開された。
このエロパロディとしてパラダイステレビが制作を発表した番組が、「SPEC」と一字違いの「SPEX」だった。サブタイトルは「未確認性行為特別対策係事件簿」となっている。現在は削除されている公式サイトの紹介によると、主人公の女性刑事「トンマ サヤ」は、「特殊能力を持つ性犯罪者を追っている」という設定だ。同僚の男性刑事の「エブミ」は元SAT隊長で、「趣味はオナニー」と書かれている。
ストーリーは、「特殊能力エロ事件を専門に扱う部署に配属された刑事エブミ。そこに『未来で中出しSEXされる』という女性・美すずと予言した占い師が訪れる」「ムラムラも手伝いお互いを貪りあう二人。しかし装着していたコンドームが消失!?」などといったものらしい。
「SPEX」のツイッターアカウントは、「特報ムービー、人物相関図など見所満載!」と公式サイトの宣伝をしながら、「#spec あっ間違えた #spex」などと「SPEC」のハッシュタグを入れたツイートを行っていた。
こうしたことが本家「SPEC」プロデューサーの逆鱗に触れてしまった。2013年9月19日、SPECのアカウントは「やめてください。訴えますよ」とパロディ側ツイートした後、「ひとまず、パラダイステレビには法的手段も、打ちますと、連絡しました」と述べ、パラダイステレビ側の担当者の名前も公開した。
パロディ側はサイトを閉鎖
テレビドラマのパロディAVが制作されることは珍しくない。高視聴率を記録した日本テレビ系のドラマ「家政婦のミタ」のパロディとして、「家政婦のキタ」や「美人すぎる家政婦をミタ」、「家政婦の股」などといったタイトルのパッケージが多数発売されている。
しかし、パラダイステレビはスカパー!などで放送しているチャンネルであり、地上波番組のパロディAVをオンエアするとなると、あまり例がなく事情も違ってきそうだ。スカパー!の番組カレンダーには放送予定日が残っているが、「SPEX」の公式サイトとツイッターアカウントは消えてしまった。
パラダイステレビの運営元であるリーレ(東京・新宿区)は、J-CASTニュースの電話取材に対し、「掲示板にURLが貼られサイトにアクセスが集中し、不具合が生じた可能性があるため公開を取りやめた。ツイッターも謎の不具合が生じたためアカウントを消去した。原因は現在調査中」と答えた。また、TBS側からの連絡についても担当者は「私のほうでは把握できていない。調査に時間がかかる」としている。
一方の、TBSからは20日18時現在、J-CASTニュースの取材に対する回答を得られていない。「SPEC」の公式アカウントは、「自分の大切な家族や恋人の顔をAVのパッケージにアイコラされて、ネットでさらされているようなもんです」などという発言を最後にアカウントを消去していたが、20日に復活した。
新しくなったプロフィールには「今後は宣伝チームによる告知のみとなります」と書かれ、プロデューサーのアカウントは、「個人のアカウントとして切り離します。ご了承ください」とツイートしている。